安田記念で芝のG1・8勝目に挑むアーモンドアイ。これまで日本競馬では芝G1を7勝した馬はアーモンドアイを含めて7頭いた。歴代の芝G1・7勝馬のデータを検証しながら、アーモンドアイの可能性を探る。
これまで芝のG1を7勝した日本馬は?
下の表の7頭がこれまで芝のG1を7勝した馬だ。海外G1も含んでいる。皆、歴史的名馬だ。アーモンドアイを除くと、通算勝利数は10勝以上、重賞勝利数は8勝以上だ。このことから、アーモンドアイはあと1勝は重賞を勝つ可能性は十分あるといえる。
芝のG1を7勝した馬
生年 | 馬名 | 性別 | 戦績 | 重賞勝利 | 海外G1 |
---|---|---|---|---|---|
1981 | シンボリルドルフ | 牡 | 16戦13勝(13-1-1-1) | 10 | 0 |
1996 | テイエムオペラオー | 牡 | 26戦14勝(14-6-3-3) | 12 | 0 |
2002 | ディープインパクト | 牡 | 14戦12勝(12-1-0-1) | 10 | 0 |
2004 | ウオッカ | 牝 | 26戦10勝(10-5-3-8) | 8 | 0 |
2009 | ジェンティルドンナ | 牝 | 19戦10勝(10-4-1-4) | 8 | 1 |
2012 | キタサンブラック | 牡 | 20戦12勝(12-2-4-2) | 10 | 0 |
2015 | アーモンドアイ | 牝 | 12戦9勝(9-1-1-1) | 7 | 1 |
何歳の時にG1を勝利したか?
芝G1・7勝馬は、何歳の時にG1を勝利しているのだろうか? 2歳G1を勝ったのはウオッカのみで、2歳時のG1に走ったのもウオッカだけだ。最初の目標を3歳のクラシックにしている馬が多い。引退は5歳が多く、ディープインパクトは4歳一杯で引退、ウオッカは6歳の初戦を戦って引退した。牝馬は牡馬よりも早熟傾向にあると言えるが、ウオッカは5歳でG1を3勝、ジェンティルドンナも5歳でG1・2勝しており、5歳のアーモンドアイがG1勝ちを重ねる可能性も十分ある。
芝G1・7勝馬の年齢別G1勝利数
馬名 | 2歳 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 |
---|---|---|---|---|---|
シンボリルドルフ | 0 | 4 | 3 | 0 | ― |
テイエムオペラオー | 0 | 1 | 5 | 1 | ― |
ディープインパクト | 0 | 3 | 4 | ― | ― |
ウオッカ | 1 | 1 | 2 | 3 | 0 |
ジェンティルドンナ | 0 | 4 | 1 | 2 | ― |
キタサンブラック | ― | 1 | 2 | 4 | ― |
アーモンドアイ | 0 | 4 | 2 | 1 |
どんなG1を勝ったのか?
7頭すべてに共通しているのはジャパンカップを勝っていること。また、すべての馬が3歳クラシックのいずれかのレースに勝利している。ウオッカは牝馬なのに勝利した3歳クラシックが日本ダービーのみという変わり者だ。7頭中、牡馬3冠馬は2頭、牝馬3冠馬も2頭。テイエムオペラオー、ウオッカ、キタサンブラックは3冠馬ではなく、古馬になってからG1をたくさん勝った。
馬名 | 1勝目 | 2勝目 | 3勝目 | 4勝目 | 5勝目 | 6勝目 | 7勝目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンボリルドルフ | 皐月賞 | ダービー | 菊花賞 | 有馬記念 | 天皇賞春 | ジャパンC | 有馬記念 |
テイエムオペラオー | 皐月賞 | 天皇賞春 | 宝塚記念 | 天皇賞秋 | ジャパンC | 有馬記念 | 天皇賞春 |
ディープインパクト | 皐月賞 | ダービー | 菊花賞 | 天皇賞春 | 宝塚記念 | ジャパンC | 有馬記念 |
ウオッカ | 阪神JF | ダービー | 安田記念 | 天皇賞秋 | ヴィクトリアM | 安田記念 | ジャパンC |
ジェンティルドンナ | 桜花賞 | オークス | 秋華賞 | ジャパンC | ジャパンC | ドバイシーマC | 有馬記念 |
キタサンブラック | 菊花賞 | 天皇賞春 | ジャパンC | 大阪杯 | 天皇賞春 | 天皇賞秋 | 有馬記念 |
アーモンドアイ | 桜花賞 | オークス | 秋華賞 | ジャパンC | ドバイターフ | 天皇賞秋 | ヴィクトリアM |
G1・8勝目へのチャレンジは?
芝のG1を7勝した後は、どうだっただろうか? G1・7勝目で引退したのが3頭。7勝して1戦走って故障して引退したのがシンボリルドルフとウオッカ。G1を7勝した後、5戦もしたがG1を勝てなかったのはテイエムオペラオーだ。つまり、テイエムオペラオー以外は、国内G1にチャレンジした馬はいない。アーモンドアイの今回の安田記念挑戦は、稀有な例ともいえる。テイエムオペラオーに挑むという形式が当てはまるかもしれない。
G1を7勝した後は、どんな成績だったか?
馬名 | G1・7勝後の成績 |
---|---|
シンボリルドルフ | 米国に遠征してサンルイレイS6着 |
テイエムオペラオー | 5歳時に宝塚記念2着、京都大賞典1着、天皇賞秋2着、ジャパンカップ2着、有馬記念5着 |
ディープインパクト | 引退 |
ウオッカ | アル・マクトゥームチャレンジラウンド3で8着 |
ジェンティルドンナ | 引退 |
キタサンブラック | 引退 |
アーモンドアイ | 安田記念に挑戦 |
まとめ
データから見ると、アーモンドアイがG1・8勝目を挙げる可能性は結構高そうだ。もし、今回の安田記念で負けても、得意の東京で天皇賞秋、ジャパンカップと2回チャンスがあるので、実現するのではと思う。