31(日)に東京競馬場で日本ダービー(東京優駿)が行われる。今年は皐月賞を快勝したコントレイルが1番人気、皐月賞2着馬サリオスが2番人気になる可能性が高く、この2頭の人気が突出しそうだ。そこで、1984年以降の34年間の日本ダービーで、2強対決がどんな結末を迎えたのか、皐月賞連対馬がダービーで上位人気だった場合を検証した。
1、2番人気がともに単勝3倍以下は2番人気が飛ぶ
1、2番人気がともに単勝3.0倍以下だったケースは3度あり、1番人気が勝利したのは2度だ。2013年のキズナ、2001年のジャングルポケットが勝利している。2010年は7番人気のエイシンフラッシュが勝利した。1、2番人気のワンツー決着はなく、2番人気はいずれも馬券圏外に敗れ去った。
1、2番人気がともに単勝3倍以下だったケース(1986年以降)
年 | 1番人気 | 単勝オッズ | 着順 | 2番人気 | 単勝オッズ | 着順 |
---|---|---|---|---|---|---|
2013 | キズナ | 2.9 | 1 | ロゴタイプ | 3.0 | 5 |
2010 | ヴィクトワールピサ | 2.1 | 3 | ペルーサ | 2.6 | 6 |
2001 | ジャングルポケット | 2.3 | 1 | クロフネ | 3.0 | 5 |
1、2番人気がともに単勝3.5倍以下はワンツー決着あり
もう少し幅を広げて、1、2番人気がともに単勝3.5倍以下だったケースはどうだろうか。こちらのケースも3度あり、1番人気が勝利したのは2度だった。2004年のキングカメハメハ、1995年のタヤスツヨシが勝利している。2012年は3番人気のディープブリランテが勝利した。1995年のタヤスツヨシが勝利したときは1、2番人気によるワンツー決着だった。
1、2番人気がともに単勝3.5倍以下だったケース(1986年以降)
年 | 1番人気 | 単勝オッズ | 着順 | 2番人気 | 単勝オッズ | 着順 |
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2012 | ワールドエース | 2.5 | 4 | ゴールドシップ | 3.1 | 5 |
2004 | キングカメハメハ | 2.6 | 1 | コスモバルク | 3.3 | 8 |
1995 | タヤスツヨシ | 3.1 | 1 | ジェニュイン | 3.5 | 2 |
1、2番人気がともに単勝4倍以下はワンツー決着が3回
さらに幅を広げて、1、2番人気がともに単勝4倍以下だったケースを調べてみよう。このケースは8回あるが、2強対決というよりは3強対決の様相が強い。3番人気の単勝オッズは、2016年はマカヒキが4.0倍、1999年はテイエムオペラオーが4.2倍、1998年はセイウンスカイは4.9倍、1993年はナリタトップロードが4.0倍で、8回中4回が3番人気の単勝オッズが4倍台だった。そして、1番人気が勝利したのは8回中5回で、ワンツー決着が2度あった。2番人気は2着が3回、馬券圏外が5回だった。
1、2番人気がともに単勝4倍以下だったケース(1986年以降)
年 | 1番人気 | 単勝オッズ | 着順 | 2番人気 | 単勝オッズ | 着順 |
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2016 | ディーマジェスティ | 3.5 | 3 | サトノダイヤモンド | 3.8 | 2 |
2015 | ドゥラメンテ | 1.9 | 1 | リアルスティール | 3.8 | 4 |
2014 | イスラボニータ | 2.7 | 2 | トゥザワールド | 3.9 | 5 |
2003 | ネオユニヴァース | 2.6 | 1 | サクラプレジデント | 3.6 | 7 |
1999 | アドマイヤベガ | 3.9 | 1 | ナリタトップロード | 3.9 | 2 |
1998 | スペシャルウィーク | 2.0 | 1 | キングヘイロー | 3.9 | 14 |
1993 | ウイニングチケット | 3.6 | 1 | ビワハヤヒデ | 3.9 | 2 |
1990 | メジロライアン | 3.5 | 2 | ハクタイセイ | 3.9 | 5 |
ここまで検証したところ、2番人気が勝利したことは1度もない。今年、2番人気に支持されそうなサリオスにとっては気になるデータだ。
皐月賞の1、2着馬がダービーで1~2番人気だと波乱
それでは、皐月賞の1、2着馬がダービーで1、2番人気になったケースはどうだろうか? 今年のダービーは、このパターンに当てはまる可能性が高い。過去に6例あるが、ワンツー決着はなし。皐月賞馬は6回中3回ダービーを勝利しているが、皐月賞2着馬は連対ゼロで、3着が1回のみだ。
皐月賞1、2着馬がダービーで1、2番人気だったケース(1986年以降)
年 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 |
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2019 | サートゥルナーリア | 1 | 1 | 1 | 4 | ヴェロックス | 4 | 2 | 2 | 3 |
2015 | ドゥラメンテ | 3 | 1 | 1 | 1 | リアルスティール | 2 | 2 | 2 | 4 |
2014 | イスラボニータ | 2 | 1 | 1 | 2 | トゥザワールド | 1 | 2 | 2 | 5 |
2011 | オルフェーヴル | 4 | 1 | 1 | 1 | サダムパテック | 1 | 2 | 2 | 7 |
2003 | ネオユニヴァース | 1 | 1 | 1 | 1 | サクラプレジデント | 2 | 2 | 2 | 7 |
2000 | エアシャカール | 2 | 1 | 1 | 2 | ダイタクリーヴァ | 1 | 2 | 2 | 12 |
皐月賞の1、2着馬がダービーで2、1番人気だと意外な真実が!
今度は皐月賞2着馬がダービー1番人気、皐月賞1着馬がダービー2番人気とひっくり返ったケースを見てみよう。過去2度あり、1995年はタヤスツヨシ、ジェニュインが1、2着となった。サンデーサイレンス初年度産駒によるワンツーで、日本の近代競馬の歴史がここから始まったターニングポイントともいえる。
皐月賞1、2着馬がダービーで2、1番人気だったケース(1986年以降)
年 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 |
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2012 | ワールドエース | 2 | 2 | 1 | 4 | ゴールドシップ | 4 | 1 | 2 | 5 |
1995 | タヤスツヨシ | 4 | 2 | 1 | 1 | ジェニュイン | 3 | 1 | 2 | 2 |
皐月賞人気馬がダービーで盛り返す
最後は、皐月賞出走馬がダービーで1、2番人気になった残りのケースを見てみよう。過去に9例あり、ワンツーが2回ある。1999年は2番人気のアドマイヤベガ、1番人気のナリタトップロードの順で入った。1993年は1番人気のウイニングチケット、2番人気のビワハヤヒデで決まった。ちなみに、ダービーで勝利した6頭中5頭が皐月賞で1番人気だった。つまり、皐月賞で期待を裏切った馬がダービーで挽回するケースが多いといえる。このデータは今年当てはまらないが、来年以降に使用してほしい。
皐月賞出走馬がダービーで1、2番人気だったケース(1986年以降)
年 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 | 馬名 | 皐人気 | 皐着順 | ダ人気 | ダ着順 |
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2016 | ディーマジェスティ | 8 | 1 | 1 | 3 | サトノダイヤモンド | 1 | 3 | 2 | 2 |
2009 | アンライバルド | 3 | 1 | 1 | 12 | ロジユニヴァース | 1 | 14 | 2 | 1 |
2007 | フサイチホウオー | 2 | 3 | 1 | 7 | ヴィクトリー | 7 | 1 | 2 | 9 |
2006 | メイショウサムソン | 6 | 1 | 1 | 1 | フサイチジャンク | 2 | 3 | 2 | 11 |
1999 | ナリタトップロード | 2 | 3 | 1 | 2 | アドマイヤベガ | 1 | 6 | 2 | 1 |
1998 | スペシャルウィーク | 1 | 3 | 1 | 1 | キングヘイロー | 3 | 2 | 2 | 14 |
1993 | ウイニングチケット | 1 | 5 | 1 | 1 | ビワハヤヒデ | 2 | 2 | 2 | 2 |
1990 | メジロライアン | 2 | 3 | 1 | 2 | ハクタイセイ | 3 | 1 | 2 | 5 |
1987 | マティリアル | 1 | 3 | 1 | 18 | ゴールドシチー | 11 | 2 | 2 | 4 |
まとめ
オッズから見る2強対決、皐月賞の1、2着馬がダービーでも1、2番人気、どちらのデータもダービーで2番人気になりそうなサリオスにとっては、厳しいデータが多かった。
過去34回で1番人気【16.5.4.9】は勝率47.1%、複勝率73.5%と好成績だが、2番人気【3.5.1.25】は勝率8.8%、複勝率26.5%と低いので、仕方ないかもしれない。
ちなみに二桁人気【1.7.7.316】は331頭出走して1勝。勝利したのは昨年のロジャーバローズだ。今年も二桁人気の激走があるのか、注目したい。